イントロダクション
エナジェティック・ハート*1は美徳の根源(ソース)です。この美徳が同情や感謝と呼ばれる感情に関連付けられてきました。これらの美徳は、強力なハートの周波数の外側を覆うタイルであり、この周波数が個人の本質を定義します。ハートの美徳は、形態の世界の中にいる人間のパーソナリティの内部に住まう不滅のソウルにとって、知覚と表現の両方のエネルギー的なソースです。
セルフは、エナジェティック・ハートの中に含まれており、ハートの美徳というプラットフォームから物質と非物質の両方の、全ての次元へと外側に向かって動いています。ハートの美徳は、感謝、謙虚、勇気、同情、理解、寛容から構成されています。他にも多くの影が存在していますが、これらは基本となる美徳であり、エナジェティック・ハートのプラットフォームとなる構造を生み出す周波数です。セルフ、つまりソウルはこの領域から活動しています。
これらの美徳が、純粋に─エゴとマインドが入り混じらない、純粋な状態で表現され、受け止められるとき、その効果は多岐に渡り、他の生命(人間やその他の生命)全体に持続した影響力を与えます。
通常、光は全方向を向いているため、コヒーレンスをもっていません。光の波の方向が一致しておらず、エネルギーを増幅させる構造を持っていないのです。その一方で、レーザーは強烈な光を生み出します。レーザーはコヒーレントな光の波で構成されているからです。その光の波は方向が一方向で、補強・強化されるよう位相が整えられています。これ故に、レーザーは通常の光では不可能な機能を果たすことができます。
同様に、ハートの美徳は個人の内部や個人から構成されるグループの内部で整合性(コヒーレンス)を持ったとき、並外れた、一見信じられないような効果を発揮します。それには、ハートの美徳が、無言・暗黙のレベル(内的ソースのレベル)とそれに対応した明示的レベル(行動や振る舞い)の両方が整合していることが要求されます。
整合性(コヒーレンス)とは、この場合、本心から純粋に想い、行っているかという意味です。
では、どのようにしてその感情の周波数にコヒーレンスをもたらせばいいのでしょうか?その方法は、リリカス・ティーチング・オーダー*2の中では「純真の技法─アート・オブ・ジェヌイン」と呼ばれています。
エゴ-マインドの知識構造
エゴ-マインドは、私たちの社会秩序によって文化を構築され、価値観を発達させます。その価値観は、社会や広範な社会秩序の内部のグループのコンセンサスと一致しています。つまり、私たちの知識やモラル、価値観、態度、そして行動は概して三次元世界の基本的な社会構造によって構築されているわけです。
セルフや意識は三次元世界の中に含まれるものではありません。それ故に、三次元の調査─マインドの最も洗練されたロジックですらもそれを調べることは全く不可能なのです。これが宗教、哲学、心理学のフィールドが抱えている基本的な不安定要素です。三次元世界の中の文化によって育まれ、それに縛られているマインドでは、制限を持たないセルフを解き明かすことはできません。
神秘主義は、人生には謎が横たわっており、エゴ-マインドを困惑させているという仮定をもっています。この仮定が、その説明できない謎への解釈と論理的証拠を捜し求めさせます。この調査の中で、科学、宗教、心理学、哲学が育まれ保たれます。それらのツールや学問の分野が、超越的な意識の世界への調査に私たちを導くものと大勢の人々が信じていますが、それは飛行機を使って大海の深さを探求しようとすることに幾分似ています。
エゴ-マインドの知識体系は、ソウルのさざ波を観察しています。しかし、そのさざ波の深遠なるソースを、誰もその姿を解き明かすことはできません──全ての物質と非物質の上部構造であるその構造を。このことが、エゴ-マインドにフラストレーションを感じさせ、幾分落胆させます。少なくても、この現実に気付いている人々にとっては。エゴ-マインドは活動の意義を問いながら、知性の表現を捜し求めています。一方、ソウルは自分自身を知り尽くしています。なぜなら、ソウルはハートの美徳を忠実に受信し、送信しているからです。
エゴ-マインドは、行動の見返りや結果の報酬を求めます。その一方、ソウルは形態の世界の密度の中で、ハートの美徳の文化を維持することを求めます。ある意味において、セルフは、ひとつの要素を共有する二つの世界で捕えられています。それは目的です。私たちは皆、気付いています。最も明晰な瞬間において、人生、特に私たちの人生にとって、もっと深い目的があるということを。断片的な形態の世界は、私たちの感覚の興味を惹きつけますが、私たちの生まれもった目的への切望を満たすことはありません。
これが、自分の目的が姿を現すのをここで待っている大勢の人々の中のエゴ-マインドがフラストレーションを感じている理由なのです。アート・オブ・ジェヌインは、私たち一人ひとりの内部の六つのハートの美徳の深い目覚めにコヒーレンスをもたらし、形態の世界の中でそれらの美徳を誠実に表現する訓練です。自分の内部にあるエナジェティック・ハートの周波数に目覚め、瞬間の中で己の最大の能力を発揮しようと自分の振る舞いや行動の中でその美徳の周波数を表現している個人は、自分の最高の目的を果たしているのです。
ここを強調させてください。彼らは、自分の最高の目的を果たしているのです。彼らはそれを探し求めていません。彼らは、それが何かと迷っていないのです。彼らは、見た目にはとらえどころのない自分の目的の謎(エニグマ)によってフラストレーションを感じていません。彼らは、シンプルにそれを行っているのです。それを自分の人生の表現にとって欠くことのできない要素として生きてください。そして、それぞれのハートの美徳が何たるかを理解して、そのコヒーレンスの度合いを高め、純粋にそのハートの美徳を表現する方法を追い求めるのです。
真の目的が満たされ、ミステリアスで目には見えないスピリットの性質によってその目的が抽象的でなくなるとき、エゴ-マインドの構造は、エナジェティック・ハートとさらに容易に整合するでしょう。この整合性は振る舞いと行動を通じて、ハートの美徳の純粋な表現を達成する個人の能力を高めます。
地球のスピリチュアルな作品は、余りにも多くの忠告、規則、教訓、法則、型にはまったプロセス、そしてエソテリックな訓練で溢れかえっているため、アート・オブ・ジェヌインは異様に単純で、それ故に効果が低いように見えるでしょう。しかしながら、真の変容と上昇にパワーを持っているのは、このシンプルな美徳の実践なのです。それは、その美徳を表現する個人のためだけではありません。人類のすべての次元の表現の中で大勢の人々とそれがシェアされるからなのです。
それぞれの個人は、自分が観察し経験している形態の世界という現実構造へのアクティブな参加者です。この現実構造への参画は、主として人間という装置(ヒューマン・インストゥルメント)*3のエネルギー・センターと、そのエネルギー・センターが三次元世界と相互作用することを通じて起こります。このエネルギーが─それがいかに捕らえにくいものでリアリティあったとしても、あなたの現実をダイナミックに形成しています。このエネルギーが、けなげな無垢から新たな現実(リアリティ)の共同創造者の意識へとあなたを導くアセンション・パスを定義する「知覚をつくるもの」を吹き込んでいるものなのです。
ハートの美徳に対する抽象的な理解をもつことだけでは不十分です。たとえば、人生があなたにもたらす贈り物(ギフト)に対して感謝を表現することが必要不可欠であることを知ることと、その感謝を表現することは別のことです。エナジェティック・ハートの周波数に立脚した純真さをもって、その感謝をいつ、どのようにして表現するかを理解するには特別な認識が要求されます。それは、ハートの細やかな周波数に同調し、その繊細な美徳の意思(ジェスチャー)に誠実に従うとコミットすることです。
人生とはもっと順調で、実りあるものであるべきだと信じている人々が大勢います。人生とは、その必要に応じて展開されるべきです。やすらぎは、その生命力が具現化されたものであるべきです。しかし、何世代にも渡って人類が地球に堆積させてきたエネルギー密度が存在しています。その密度は、惑星がより高い次元状態へとそのコア周波数をシフトさせるために変容することが要求されます。
地球上に具現化している私たちの一人ひとりは、この変容のプロセスの一部なのです。ハートの美徳の自由で自然な表現を妨げる低い密度を超えて動きたいという欲求は自然な意識の状態です。たとえ、このプロセスが、数千ではないとしても数百の「人間という装置」の中の具現の中に及ぶものであったとしても。
人類が惑星と共同創造しているものは、まさしくこの共同の変容プロセスです。個人のマインドとハートの中でこれが真に理解されたとき、「アート・オブ・ジェヌイン」の実践が、精神的な規範となります。
アート・オブ・ジェヌインの実践
アート・オブ・ジェヌインの実践は、繊細で捉えがたいものです。人間という装置を取り囲んでいる、同情、理解、感謝、勇気、寛容、謙虚というエネルギー・フィールドが存在しています。それは、すべての人間という装置を、やがて蝶となろうとする蛹(さなぎ)のように取り囲んでいます。このフィールドは、個人のソウルの上に刻まれたファーストソース*4と同等のエネルギーです。
これらのフィールドが、マルチバースの相互連結した広大なエネルギー・フィールドの中に、コヒーレント振動として私たちの形態の世界に存在しています。リリカスの教師たちは、それを「ユニティ(統合)の領域」と呼んでいます。同時に、これらのフィールドは、しばしば神の愛(ディヴァイン・ラブ)─エネルギー的な「血液」と呼ばれ、時間と永遠(非時間)の両方の世界の中にいる全ての生命を支えながらマルチバースの至るところに循環しています。
純粋なフィーリングの活性化を通じて、個人はそれらのインテリジェンス・フィールド(ハートの美徳)に、効果的且つ能率的にアクセスが可能となります。それには、マインドや論理的思考は関係ありません。マインドは、美徳とその態度に関してはハートの衝動に従うものなのです。アート・オブ・ジェヌインを実践すると、その知性のフィールドがあなたの意識へと磁石のように引き寄せられます。そしてあなたの能力を最大限に発揮するため、毎秒ごと、毎センチメートルごとに、あなたの人生経路を横切るすべての生命へと、あなたの振る舞いと行動を通じてその知性が表現されるのです。
これが、アート・オブ・ジェヌインの実践です。これが成されるとき、あなたのフィーリングはさらに神聖なインスピレーションに溢れ、エネルギッシュで魅力的となり、すべてに向けて解放されます。社会的教化に関わらず、振る舞いという紛れも無い真実は、あなたのファーストソースとの神聖な絆と共同創造の能力を忘れはしないでしょう。もしあなたが忘れていたとすれば、本質的な行動によってその絆は思い出され、再構築されます。そして、それはハートの美徳を通じて成されるのです。
見ての通り、この実践には二つの主たる構成要素があります。それは、あなたを取り囲むインテリジェンス・フィールドを引き付けることと、あなたの振る舞いと行動の中にそれらの感情と姿勢を表現することです。大抵の人々は、自分を取り囲むインテリジェンス・フィールドから引き寄せずに、自分の感情を表現しています─すべての環境の中のすべての時において、自分を取り囲んでいる神の愛(ディヴァイン・ラブ)に浸すことなしにそれを表現しているのです。
従って、アート・オブ・ジェヌインを実践するためには、あなたにファーストソースの絆と共同創造の表現のポテンシャルを供給するエネルギー的な「意志」からフィーリングを引き出さなくてはなりません。その絆は、あなたが存在する限り存在します。それは新しく創り出されたものではありません。恐らく、その代わりに、その絆は新たに忘れられるのです。
2ページ目(Mah注:Energetic Heart Structureの図)に描かれている図表を視覚化し、あなたの中心に置いて想像してみてください。自分の意識の中にハートの美徳を引き寄せ、あなたが行っているようにファーストソースがあなたとの間の絆を拡げていく様を。新たな知性のパターンと新たな振る舞いの表現として、それらの美徳の純粋なフィーリングを意識の中に受け止めるため、あなたは道を清めます。
この視覚化はいつでも、どこでも行うことができます。そしてその絆の全体性をあなたが識別するのを助けるでしょう。ファーストソースへの私たちの絆は、同情や寛容だけに基づくものではありません。それらの題目や名前が、エネルギー的な観点からその真の意味の殻のようではあるものの、絆は六つの美徳に基づいています。それは、ファーストソースのスピリットに私たち各人が包まれている様子に近いものがあります。ハートの美徳を実践し、イマジネーションを働かせるとき、それらの名前や説明に対する理解が拡がりシフトしていくのを見ることも実践の一部となります。
この実践の中で、知性が相互に転送され、それが統合されてゆき、あなたを時間とともに導くでしょう。それらの美徳が、新たな道の中でいかにして表現されていくのか、あなたの理解は深まり、拡がっていくでしょう。新たな道─それはたぶん、あなたが想像すらできないものです。
辛抱づよく、実践してください。
アート・オブ・ジェヌインは、「理性の技法」と呼ばれています。これは、数学のように対照的(シンメトリー)なインプットとアウトプットのエネルギーをもつ合理的(ラショナル)なものではありません。あなたは、常に自分を取り囲んでいるインテリジェンス・フィールドに意識を開いています。共同創造のフォースとして、その知性を三次元の自分の生活に引き寄せているのです。この共同創造のフォースは、強力で、ダイナミックであり、驚異的な知性を持っています。その知性が融合するために浮かび上がる前に、その知性はあなたが実践している様を観察するでしょう。
この意識と統合(ユニティ)の領域との融合は、形態の世界の中では様々な呼ばれ方をしています。それが何と呼ばれようとも、アート・オブ・ジェヌインの実践は、その融合を加速させます。これは神聖な記憶を練磨したいと願う人々のための訓練であり、彼ら自身とその仲間たち、そしてファーストソースとの間の関係を深めます。この関係性の向上において、あなたを取り囲んでいる意識のフィールドが、惑星にもたらされている新しい放射エネルギーを、磁石のようにあなたの人生という小宇宙に引き寄せます。ちょうど芸術家がパレットに新しい色を授かったときのように、あなたは共同創造のプロセスの中の新しい要素として、その新たなエネルギーを使うことができるのです。
六つのハートの美徳は、私たちの創造者から私たち一人ひとりに与えられています。私たちが順々にその美徳を可能な限り誠実に自分たちの仲間の人々へと表現してゆけるように。私たちの関係性においては、それが言語で表現できる最もシンプルな目的です。私たちがそれらの美徳に注意を向けるとき、その美徳について考えているだけで、私たちはその美徳を表現する実践を始めています。その美徳のエネルギー構造の豊かさを想像するとき、私たちは新たな、さらに強力なレベルでその美徳を実践しています。美徳の実践は、単にそれを表現することにとどまりません。美徳について熟考し、研究することも同様にその実践となります。
六つの美徳の中に、なぜ愛がないのかとあなたは思うかもしれません。ちょうど太陽の光が、プリズムを通ると多彩色のスペクトルになるように、愛は統合の領域を通るとハートの美徳になるのです。愛は、マルチバースの中の一番深い底となる構造です。愛は、存在の全ての次元と意識のフィールドを貫き、生命の中のファーストソースの結晶の痕跡を見い出します。
知覚生命が、マインドとハート・インテリジェンスの両方から構成されていれば、ハートの美徳の中に愛そのものが流れ、ファーストソースとの絆を着火する個人の実体(エンティティ)の意識へと入っていくでしょう。そして、実体 ─ 人間という装置の鞘に収められているものは、やがてソウルの鮮明な眼をもって再び目覚めるのです。
六つのハートの美徳は互いに調和し合い、統合(ユニティ)の領域の中の知覚生命を融合する愛の結び目を形成します。そして、比較的弱くではありますが、その影が同様にして低次元の生命を結び付けるのです。あなたに敵対する者やあなたを糾弾する者、そして困難が人生に入るとき、あなたの注意は社会秩序という名の文化の中へと引っ張られ捕らわれてしまい、ハートの美徳の純粋なフィーリングから離れてしまうことがあるかもしれません。これは様々な度合いで全ての人々に起こります。
アート・オブ・ジェヌインの実践は、おそらくあなたが驚くような巧みさをもって感情のバランスを回復させ、リセットするでしょう。ハートの美徳は、磁力のようにパワフルです。なぜなら、それは神の愛の感触─マルチバースで最も強力なフォースだからです。これらの美徳を実践するとき、あなたは社会秩序という名の文化から呼び戻され、共同反応ではなく、共同創造の中にあなたを置きます。
圧倒的多数の人々は社会秩序を実践し、共同反応のルールを甘受しているのです。感情が起伏し、マインドには恐れが氾濫し、肉体を支配します。そして概して全ての人の人生をより困難なものとしています。その上、ファーストソースとの共同創造の状態を達成するという自己支配(マスタリー)の感覚が失われ、大幅に減少させています。この共同創造の状態は、現実であろうが想像であろうが、ハートを元気づかせ、人間関係の中で芸術的な手腕を発揮します。共同反応を演じることなく、いかにして人生の舵を取るのかを直感的に知るのです。
六つのハートの美徳の詳細な定義をしたくてたまらないのですが、あなたが自分自身の経験と洞察によってその定義に彩りを与えることができるように、そのスタートポイントを提供したいと思います。
感謝
微細(サトル)なレベルでは、この美徳はファーストソースが意識のフィールドとして私たち人間を取り囲み、その意識が私たちを統一しているのだという明確な認識にフォーカスしています。私たちが統一されていれば、当然私たちはもっと深いレベルにおいて集合的な意識として活動していることとなり、そこでは共通の目的を共有しています。その目的は、華麗な容貌と最高の生命力を備えており、ミステリアスでダイナミック、そして流動します。たとえそれが信念レベルであったとしても、この認識は私たちのフォーカスを個人的な人生の瑣末からシフトさせ、種族としてのヴィジョンを提示します。
もっと実際的なレベルでは、感謝とは、誠実さと友愛の関係を支える小さな謝恩の意思表示として自身を表現します。より深いレベルの感謝は、比較的表層レベルの表現を純化させます。なぜなら、それはエゴやマインドの動機からではなく、ソウルの周波数から生まれたものだからです。
謙虚
ソウルは、ファーストソースから生じた愛の周波数を表現します。これは人間という装置の中に体現されている間、人間という装置へとその繊細で荘厳な愛の周波数を循環させるという意味において、ソウルの最も重要な目的です。愛の周波数が、マインドよりもハートをより積極的な協力者とみなすことは何ら驚くに値しないでしょう。謙虚とは、ハートとマインド、そしてソウルがファーストソースの恩寵の中で混ざりあっているという認識です。ハート、マインド、ソウル、その存在そのものが、ファーストソースからの愛の恵みを通じて支えられています。それは、ちょうど樹木が太陽の光によって支えられているのと同様に確かなものです。
私たちの惑星の宗教、心理学、哲学の書物は相当程度、マインドに比重を置いています。人は自分が考えた通りになるものです。更に粒子レベルでは、大勢の人々は自分が考えたことが、自分の感情を引き起こすと信じており、それが次に彼らの振動率を創造し、その振動率が彼らの人生経験を引き寄せるのです。つまり、この理論を応用すれば、私たちの人生に善いものを引き寄せる方法とは、正しく考えることなのです。そうしないと、悪、すなわち困難を引き寄せることになります。
謙虚とは、あなたを表す存在─あなたのトータルなアイデンティティ─は、マインドの反応の鎖から構成されているのではないと理解することです。あなたは、むしろ人間という形の中に体現された愛の存在です。そしてこの愛は、ハートの美徳の中に、マインドの瞑想的知性の中に、そしてハートとマインドとソウルが共同創造する探求の中に自らを表しています。
謙虚とは、その愛の周波数の表現であり、それが高次元に既に存在しているものから生まれたものだと知ることです。そして、この次元では、愛は感傷的なものではなく、感情的な重々しさがありません。愛とは、ファーストソースという元型(アーキタイプ)に従って作用する解放のフォースです。すべてはひとつ。すべては等価。すべては神聖。すべては不滅です。
勇気
勇気は一般的に戦争や戦場を背景にして用いられているものですが、愛の要素としては、権力に対して真実を話す行為と関係しています。特には、不正が行われているときです。私たちの世界で行われている不正に対して無視を装うのが、今日の社会秩序の常です。自分自身の世界に没頭することが、勇気を弱体化させるカギです。結果への恐れも勇気を脅かす別のカギです。
不正を指摘することの結果を恐れている個人は、ファーストソースの共同創造のフォースを誤解しています。共同創造者として機能するとき、ますます増加し続け、突然発生する不正に対して常に注意を払っています。そして不正があなたの人生の道の中で起こったとき、それが何であり、何のために扱われたのかを識別しなくてはなりません。勇気とは、あなたの愛の側面であり、社会秩序から見た不正に直面したとき、その存在を守ります。自分の美徳を守らない─あるいは、美徳そのものが自らを守るには弱すぎるならば、あなたはそれらの美徳から切り離され、形態の世界の中で共同創造を行う機会を失ってしまいます。
これは必ずしも活動家や社会運動の擁護者にならなければならないという意味ではありません。シンプルに、あなた自身を不正から守る必要があるということなのです。特に子供はこの保護が必要です。私が七つぐらいだった頃の記憶を鮮明に覚えています。私は父親と店に向って駐車場の中を歩いているとき、ある母親が車の後部座席で文字通り自分の子供を叩いていることに私たちは気付きました。賑やかな土曜日でした。駐車場には大勢の人がいましたが、女性に近づいていき、やめるように言ったのは私の父親でした。父の声には確固とした響きがあり、その女性は直ちに手を止めました。
これは勇気の行いでした。なぜなら、それに関連する判断が本当に何もなかったからです。その瞬間の中で、介入を必要としたものは、シンプルに不正だったのです。父は子供と母親の両方に同情を感じており、母親はそれに気付いていたと私は思います。これはハートの美徳が、単独では滅多に現れない例です。むしろ、与えられた状況に応じて強さと効力を増すためにハートの美徳は互いに絡み合い、結束します。
同情
大勢の教師が、同情について雄弁に語ってきました。それは他人の苦しみに関する深い認識であり、その苦しみを和らげたいという願いに結びついています。私たちの惑星にその腰を降ろそうとしている新しい知性という背景においては、同情とは、三次元世界に現れつつある新たなインテリジェンス・フィールドに他の人が整合するのを助けたいというアクティブな願いです。人々の願い、そして、その整合するための能力は、社会秩序という文化によって歪められていることに気付いて欲しいのです。社会秩序は、人々の知性や精神的な傾向や目的を正確に反映していません。
私たちが住んでいる惑星は、惑星そのものが知性を持っています。ちょうど私たちと同じように、物理的な構造と非常に高い周波数のエネルギー構造の両方を持っているのです。地球は、三次元から四次元へのシフトを行っており、そしてそれは、人類が惑星に播種される前から計画されていたものです。より高次の次元グリッドの中を通る前に、ある次元から堆積された密度が変形することは、惑星システムの進化サイクルの一部です。
それ故に、同情は私たちの仲間と惑星自身の両方にまで及ぶものであり、一回の人生に限って言うならば、私たちは他人の運命の一部であるという認識が伴います。惑星と人は、再生と刷新の共同プロセスの中で、ファーストソースの上昇気流の中で舞っているのです。私たちは皆、ミステリアスなエネルギー的超越プロセスの一部です。そのプロセスは地球と宇宙の間で起こっており、地球がその堆積された密度を変容させるとき、私たちの一人ひとりは私たち自身を変容させるために試されるでしょう。つまり、更なる恐れと情緒不安の中へと沈められるのです。
私たちは、惑星のスピリットの育成という惑星構造のアセンション、そして宇宙の重大事の一部となるという幸運に浴しています。現在、驚くほど多様な宇宙存在が人間という装置の鞘の中に転生しており、彼らの出身は、信じられない程多彩な宇宙のセクターに渡っています。私たちは、三次元的な知性とその創造物の密度と空気を超えて、この地球の超越プロセスを目撃し、サポートするためにここにいます。私たちは、マルチバースの他の場所では滅多に見られない大規模な偉業の中、私たちの精神的成長を加速させるため、ここにいます。それは、今この時に惑星の上に存在する人々への地球からの贈り物(ギフト)です。幾分かは、それが私たちの同情に対する動機と言えましょう。
理解
形態の世界は、非形態の世界と全く同じように、その濃密な表現の下に存在するエネルギー的な構造から構成されています。実は、マルチバースの中のあらゆるものは、計り知れないほどの長い寿命をもったエネルギーを持っています。エネルギーは変容するものです。つまり、エネルギーは他の状態へと変化・シフトが可能です。人間の場合、意識がそれに当たります。人間のエネルギー構造は、しばしばチャクラシステムや電磁気的なボディとして描写されていますが、その構成要素はそれだけにとどまりません。そのエネルギー構造は光の一形態であり、それは神の愛の感触(テクスチャー)へと転じます。
コア・ストラクチャーにおいて、私たちが愛で構成されているのは事実であり、そして私たちの不滅の意識、つまりソウルの中心となっているのがこの愛の周波数なのです。全ての低次の密度はこの光の影であり、時間と空間の中で作用しています。それは密度という鞘を提供し、このコア周波数から分離させます。時間と空間の世界は、私たちすべてが構成されているコア・エネルギー・ストラクチャーを感じるための接続を変化させ、減退させるわけです。
ここに、人間存在のパラドックスがあります。私たちの最も内側の構造は神の愛であり、一番外側の構造はその内側の構造が経験するための手段です。しかし、私たちはその内側の居住者─私たちの真のセルフの「乗り物」以上のものとして外側の構造を認識するように訓練されてきました。
私たちは皆、私たちの真のセルフとの分離を感じており、その乗り物(人間という装置)に対する認識には過剰なものがあります。恐らく、この点に関しては全員の認識に大差はないでしょう。理解とは、ハート・インテリジェンスの側面であり、この愛の周波数からの分離は、惑星上で起こっているより大きなブループリントの必要な構成要素としてデザインされていると認識することです。つまりは、人類は恩寵から堕ちたわけではなく、どうしようもない程に罪に傾いているわけではありません。むしろ、私たちは、自分たちにとって優勢な現実の像をシンプルに受け入れているだけであり、その現実が優勢であるのは偶然ではなく、ファーストソースのデザインによるものです。
リリカスの中に、ある有名な言葉があります。それを大まかに翻訳してみましょう。
「時間の優雅さとは、愛を封じ込めている時間の構造を解き明かすことである」
時間の構造とは、このケースでは人間という装置のことを指しています。ただ時間だけが、愛の周波数を個人の行動の中でその叡知を発揮させることを妨げ減退させる強固な障壁を破壊し、微細な膜を破ることができるのです。
時間が重要な変数なのだとすれば、この認識に向かって誰もが道を歩んでいるのは当然のことであり、彼らがそれを成し遂げるのは、ただ時間の問題に過ぎません。つまり時間とは、私たちを引き離す隔たりなのです。ある意味では、私たちはみな、お互いから時間移動しています。形態の世界から自分の愛の周波数を解き放つということに関しては、誰ひとりとして全く同じ時間の中で活動していないのです。
このことが理解できれば、現実とユニティの関係を理解する助けとなるでしょう。そして、この理解の中で、自分自身の時間と、あなたが人生で触れる人々の時間を加速することができます。これが、タイムトラベルの真の目的であり、崇高な定義です。
寛容
寛容は、私たちはみな、自分の人生経験という環境の下で自分たちができるベストを尽くしているのだという概念から作用しています。そして、その行動の度合いは、私たちの人間という装置に愛の周波数がどの程度満ちているかによります。人がハートの美徳と、その誠真なる周波数の感触をもって行動するとき、寛容は自然に受容できる状態となります。
不正と認識されるものが私たちの経験の中に入ってきたとき─その重要度や、私たち自身がその原因、あるいはその結果のどちらに見なしているかは関係なく、最初は鋭い被害者意識や困惑の感情をもって私たちは反応するでしょう。しかし、この感情的な混乱と歪みは、理解 → 同情 → 寛容 → 感謝 を経験することによって素早く変容させることができます。これは、後にすべての目的を脱ぎ落とした純粋な愛の周波数だけを残して、どんよりとした被害者意識の混乱、つまりは共同反応を光の渦(うず)へと変容させる方程式です。
寛容は、理解と同情というまさしく外側へと向けられた表現であり、典型的に裁きの存在を介入させる重々しい感情的な二元性(すなわち、善と悪)はそこにはありません。それは、時間の手の中からあなた自身を解放する以外の意図や目的を持たないニュートラルな表現です。時間とは、エネルギー的な流砂に似ています。それはあなたのエネルギーを時間ベースの感情状態へと巻き込むものです。
精神的規範
あなたの日々の活動の中で、感情の周波数の状態をリセットすることは大切なことであり、アート・オブ・ジェヌインはそれを行うための優れた方法です。完全な視覚化を実践することは求められません。特定の人生経験に対して、ハートの美徳がどのように結合、連結しているかを深く理解し、感情の世界で活動することが行動面における抜本的なシフトにつながります。そして、非常にそれがあなたの役に立つでしょう。
アート・オブ・ジェヌインの実践が、どうして精神的な規範なのでしょうか?あなた自身のハートの美徳の定義を見出し、その洞察を行動の中に組み入れるとき、それがあなたの愛の周波数を取り巻いている鞘の鍵を外すカギとなることが分るでしょう。あなたの中に、愛の周波数以外の振動するアイデンティティは存在しません。スピリチュアルな存在としてあなたの存在を定義するものは、神の愛の鼓動(パルス)以上のものはないのです。
あなたの人間存在へと、この周波数─その存在を招き入れるのが目標となります。そしてそれは、あなたの意識のフィールド(すなわち、感情の状態)の中に調和が存在するときにだけ、現れるでしょう。
アート・オブ・ジェヌインの実践は、この調和を達成するための方法であり、あなたの最奥のセルフを人間の活動の中に加わるように招き寄せます。同様に、その実践は人間進化の次のフェイズに個人を整合させる助けとなります。進化の次の段階は、感情の状態とスピリチュアルなインパルス、つまり愛の周波数とのその整合性にダイレクトに関係してきます。マインドがこの進化の跳躍の中で居場所がないという意味ではありません。マインドはハートの重要な器官です。しかし、人間の活動と言う実践のアリーナの中で、マインドの知性は愛の知性にその座を取って代わられるのです。
人間の世界では、愛とは行動やフィーリングと考えられており、高度な知性の形態ではありません。私が話している愛とは、マルチバースの最高の知性です。しかし、同時に人間の領域では最も誤解されています。人間のソウルは、この愛、つまり知性の導管(パイプ)であり、人類が四次元へと次の進化の跳躍を成し遂げることができるよう、ファーストソースがこの愛の周波数という高次のエネルギーを送っているのです。個人がアート・オブ・ジェヌイン、あるいは性質的にこれと類似したものを実践するならば、その飛躍は助長されます。なぜなら、感情面でのコヒーレンスがあれば新しいエネルギーは、帆に対する風となるからです。そして、この「風」はあなたを加速させるでしょう。ある意味において、あなたは、もうひとりの〝あなた〟へとタイムトラベルしているのです。
たぶん、前にも言ったと思いますが、私はここを強調したいです。あなた自身の精神的成長のためだけに、アート・オブ・ジェヌインを実践しないでください。惑星の進化的拡大と、あなたが人生で触れる人々に主眼を置いて実践して欲しいのです。この視点から活動するとき、あなたはこの拡大と進化のムーブメントの設計者となります。なぜならば、あなたは自分自身の感情状態の機能上の影響力を惑星とその上に住むものの利になるように、その操縦席に自らをフォーカスさせているからなのです。ファーストソースが吹かせている、新たなエネルギーという風を受ける帆が、まさしくこの視点です。
前にも言いましたように、光が愛の感触です。新しい光がコスモスから姿を現しています。他の世界をもシフトさせるため、光を触媒反応させながら。これには私たちの太陽系や惑星、その中にある存在のサトル・フィールドも含まれています。この新しい光の周波数を人間存在のシフトの触媒と考えることができます。しかし、実際には地球のための触媒であり、言ってみれば人類はただそれに同乗しているに過ぎません。地球は、宇宙の中で特別な位置を占めています。しかしそれは必ずしも現在の様子によるのではなく、その輝かしい未来の姿の故にです。
あなたが内側に備えている愛の周波数は、愛の行動の方程式の中へと六つのハートの美徳が編みこまれることによって、地球へと触れるように流れることができます。じっと考えてみてください。あなたはパワフルな意識のフィールドで地球に触れることができます。それは実際に、地球の進化のシフトを促進させ、そしてそうすることであなた自身も進化するのです。
これは、アート・オブ・ジェヌインの熟考を要する最後の局面です。意識のフィールド、つまりエネルギーのボディがより調和がとれ整合するとき、愛の周波数はあなたの人間という装置の中により鮮やかにその腰を降
ろします。これは、あなたのハイヤーセルフとより一層鮮明に、明確な形でアクセスできることを意味します。この研ぎ澄まされたアクセスをもって、あなたはまた、選択的な精度でその愛の周波数を向ける能力をも身につけるのです。
この愛の周波数を地球に流すことは、アート・オブ・ジェヌインの実践の不可欠な要素です。しかし、実践において余り早い段階でそれを取り入れないでください。まず最初に、古いエネルギー・パターンを掃除して取り替えなくてはなりません。そして新たなエネルギーの確かなセルフ・マスタリーが必要です。要求される精度と感情的な強さをもって愛の周波数を地球に流すのはそれからです。これが実践の極めて重大なフェイズであり、またその目的の最後のレイヤーに喩えることができるでしょう。
個人のパワーは、ハートの美徳の流動性知性の中に含まれています。どれほど感情の状態を制御できているのかが、セルフ・マスタリーに反映されます。ハートの美徳の方程式は、鎖のように連結した行動であり、人生の無数の状態、シチュエーションの中で優雅さをもって動くことを可能にします。ハートの美徳の意味を深く理解し、自分の人生の中でその方程式を応用する個人は、地球における自分の目的を満たすことができるでしょう。そして、最高の知性の最も強力な形態─神の愛(ディヴァイン・ラブ)へのアクセスを獲得することでしょう。
私の世界から、あなたの世界へ
James
用語解説
- エナジェティック・ハート
あらゆる空間の次元を貫く、基盤となる波動フィールド、あるいは根源的な量子場というものが存在しています。このフィールドは非物質から成りますが、物質に情報をもたらしています。この量子フィールドは、存在の物理構造から独立して存在していることから、「アンデリバティヴ・インフォメーション・ストラクチャー(情報を伝える根源的波動フィールド)」(UIS;Underivative Information Structures)とリリカスの教師の間では呼ばれています。
UISは亜量子で構成されており、生物と無生物の主要なブループリントを伝えています。惑星、星々、銀河、そして宇宙全体に浸透し、量子フィールドを生じさせているのがUISです。UISは、生命のコミュニケーション・フィールドであり、非局所(ノンローカル)と局所(ローカル)、個人と集合、一と無限を結んでいます。エナジェティック・ハートはUISの非物理的な要素であり、UISからソウルキャリアー、つまり人間という装置(ヒューマン・インストゥルメント)の直感と知性のセンターをつなぐ経路/ポータルです。ある意味で、それは物理的な心臓の亜量子のブループリントと言えます。 - リリカス・ティーチング・オーダー(LTO)
リリカス・ティーチング・オーダーは、第7スーパーユニバースのセントラルレイスの中に起源をもっています。セントラルレイスの中に、象徴的にウイングメーカーと呼ばれる種族が存在しています。ウイングメーカーの内部に、集合的にリリカスと呼ばれる存在の特殊な組織が存在します。そして、科学的に魂の存在を証明できるように種族を発展させ、その種族の中核となる知識体系として多次元リアリティの科学を設立するために必要とされる知識の基礎を組み立てて、転送する責任を担っているのがこのグループです。
この進化の結果は普遍的なものであり、広義でいうならば、ファーストソースの個別化された意識の第7番目のソウルキャリアーのアーキタイプであるセントラルレイスの生物学的テンプレートに基づいた全ての種族にとって同一のものなのです。技術的、科学的な栄光に発展途上の種族を導く責任を担っているのがリリカスであり、それによって魂とソウルキャリアーが種族全体によって識別され、認知されます。 - 人間という装置(ヒューマン・インストゥルメント)
人間という装置は、三つの主要な要素から構成されています。それは、生物学(バイオロジカル)的要素(物理的な肉体)、感情(エモーショナル)的要素、そして精神(メンタル)的要素です。この三つの別々な知性と知覚のツールであるシステムは、全体として物理次元の時間と空間、エネルギー、物質と相互作用する個別化されたスピリットの乗り物であることを表しています。リリカスの用語では、人間という装置はソウルキャリアーと呼ばれています。人間という装置の中のソウルの意識は、物理世界の中のソウルの影響を強化するためにソウルキャリアーの感覚システムを活性化させます。 - ファーストソース
ファーストソースは、すべての時間、空間、エネルギー、物質、形態、意図の中に住んでいる意識であり、すべての非時間、非空間、非物質、非エネルギー、非形態、非意図の中にも同様に潜んでいます。それは存在のすべての状態を、ひとつの存在へと統合する唯一の意識です。そして、その存在がファーストソースです。それは、成長し、拡大する説明不可能な意識であり、存在のすべての状態を創造の理路整然としたプランへと編成します。創造の領土を拡大し、ファーストソースの住居であるソース・リアリティへとその創造を封入します。